身近にある乾電池。普段使っているとあまりに身近過ぎて危険性がある事を見落としがちです。
必要以上に怖がる事は無いのですが、知識として知っておいた方が身を守るために必要だと思うのです。
電池を使って起きた事故
液漏れ編
普段どうり乾電池をリモコンの中に入れて使っていたらある日リモコンが壊れた
電池切れかと思ってリモコンの蓋を開けてみた。
- 電池の周りに白い粉がついていて、端子部分が緑色に変わっている
- 触ってみると少しベタベタしている
- 電池を変えてみても動かない
壊れてしまった理由
- 古い電池を長時間使っていると電池の中から電解液が液漏れをしてしまう
- 液漏れによって電池の+と-部分に触れてショート。
- 液体によって端子部分が錆びてしまう
- リモコンを触っているうちに液体がリモコンの基板にまで流れて行ってしまう
繋がる危険性
漏れ出した液体に触れて目に入ると失明してしまう可能性がある
必ず触ってしまったら、良く水で洗い流して目に入らないようにする。手を使うと、何気ない動作で目や口元に行くことがある
例えば
- 目にゴミが入って目をかいてしまう
- 唇に手を当てたり、物を食べたりする時に口の中に入ってしまう
液漏れした電池はすぐに処分。
自分では気を付けていても家族の誰かが触ってしまう事がある
- 電池交換中に少し目を離したら子供が触っていた
- 液漏れした電池を食事のテーブルに置いてテーブルクロスが変色していた
火事編
ケース1
使い終わった電池をまとめて袋に入れていたら出火してしまった
- 使い終わった電池はまとめてゴミの袋に入れて保管していた
- 普段目にしない場所で変化に気が付かなかった
出火原因
- 電池の端子部分に2つ以上の物が触れてしまう状態だった
- 強制的に電池が充電されてしまう状態になった
- 電池が熱を持っていた事に気がつけなかった
出火事故
ホームセンター・コーナンにて交換した電池をむき出しのままポリ袋に入れて保管→2階建ての店舗がほぼ全焼
どうしたら良かったのか
- 使い終わった物、使用前の電池はプラスとマイナスが触れないように保管する
- 絶縁のできるテープで端子を覆ってしまう。ケースは金属製のもの以外を使う
※ケースに端子が触れてしまう事で通電してしまうので
ケース2
スマートホンの出火事故
スマートホンや携帯型ゲーム機に使われているのはリチウム電池。充電して繰り返し使えるタイプ
出火の背景
電池の寿命
およそ2年~3年繰り返し充電ができるから使用時間が短くなっても寿命に気が付かずに使い続けてしまう
交換のしづらさ
小型化するために製品自体に組み込まれている物もあるので、分解して交換が必要な場合がある。交換時の費用が高くなってしまうので交換を先延ばしにしてしまう
模造品・改造品が手に入りやすくなっている
- メーカー品以外の物がネット上で出回っている。
- 純正品よりも安く手に入ってしまう
純正品以外がなんで危険なのか
- メーカーは危険な事が起こらないように電池にも安全装置がついている
- 重大な危険にならないように保護回路が動いて事故が大きくならない様に防いでくれている
- 安全に使えるように見えない部分でお金がかかっているので高くなってしまう
電池は衝撃に弱い
- 落として変形したり傷がついてしまうと電池の中身が出てしまう
- 中身の種類によっては水に触れたり、静電気などで出火することがある
熱に弱い
- コタツの中、夏場の車の中、充電しながらの連続使用
- 熱を持ったまま使うと寿命が縮まってしまう。
- 必要以上に熱を持って電池自体がふくらんで破裂することがある
- 破裂すると中身が出てしまうのでそこから火が出る事がある
充電の注意
- 電池を充電する時にはメーカー指定の物を使う
- 電流・電圧・プラスマイナスの極性のあった物でないと異常な発熱・故障の原因になる
充電時の事故
- スマホの充電器をコンセントに差したままの状態でプラグにジュースをこぼしてしまった
- プラグ部分が熱を持って出火してしまった
- 子供が充電ケーブルを舐めてしまっていた事に気が付かず出火
- 配線がむき出しになったケーブルを使い続けて火が出る、やけどを負ってしまう事もある
誤飲の危険性
大人であれば間違って飲んでしまう事は無いが、小さな子供のいる家庭では子供の手の届かないところに電池を保管するように勧めています。
小さい子の特徴
- キラキラしたものが好き
- 大人の真似をしたがる
- 鼻の穴や耳に入れて遊ぶ
- 口に入れて触感を確かめたくなる
手の届かないところに置いても起きてしまう事故
- 電池の交換は見えないところでやる事。交換した電池をマネして触りたがる
- リモコンやキッチンタイマーなど、子供が手にしやすい物の中には電池が入っている
- 投げて遊んだり、イタズラによって落とした衝撃で電池が出てきてしまう
- 出てきた電池で遊んでしまう
誤飲した場合
- 直ちに病院に行くこと!
- 特にコイン型の電池は短時間で化学反応が起きやすいので命の危険になる
- タンパク質を溶かす物質が体の中で作られてしまい大変に危険
- 食道で引っかかってしまう。
- 食道を溶かしてしまうだけでなく、向きによっては窒息の危険もある。
- どこで引っかかっているかはレントゲンでわかる
- 無理に吐き出させてしまうと重症化することもある。自分で判断せずに病院へ行くこと。
重症化する理由
- 重大な事になる事を知らない保護者が6割
- 国民生活センター・保護者3,000人に対してのアンケート結果
- 危険だという事を知らないと病院に連れていくのが遅れてしまう。
電池の仕組み
電池は化学反応によって電気を取り出せる便利な物。異なる2つの金属を電解液に浸すと二つの金属の間で電気と電子が移動することでエネルギーが取り出せる仕組みになっている。
電子が動くのはイオンになりたい金属とそのままでいたい金属が反応する事で起きる現象
実は中学生で勉強する内容
電池だけでなく科学の内容を中学生に分かりやすく説明してくれるブログ
電池の種類
1次電池と言われている使い切りタイプ
アルカリ乾電池 二酸化マンガン・亜鉛・電解液は水酸化カリウム・水酸化ナトリウム
2次電池と言われている充電して繰り返し使えるタイプ
ニカド電池 カドミウム・オキシ水酸化ニッケル・電解液はアルカリ溶液
リチウムイオン電池 コバルト系・ニッケル系・マンガン系・リン酸鉄系・三元系など材料は様々。コバルト酸リチウム・炭素材・電解液は有機溶媒を使用
リチウムイオン電池は車・飛行機・ノートパソコン・スマートホンなどの様々なところで使用されている
化学反応で電気を取り出しているので、異常な反応が起こって出火してしまう事もあります。
- 安全に使うために古くなった電池は適切な捨て方をすること。
- 使う時に異常が起こった場合(変なにおいや煙など)は直ぐに電池を取り外す
初期不良や値段の違いなど
初期不良が無いわけではない。
メーカーも安全性に気を付けて製品テストを行っているはずだけれども、中には不良品が出てくることもある。使用時、使う前でも異常を感じたら使うのをやめる
電池の良し悪し
電池の値段も様々。100円均一で買う乾電池と電気屋さんの高い電池の違いは中身の密度や安全の機構がしっかりしているから、使用時のトラブルが少なく長く使える
乾電池ならエボルタがお勧めされる理由
- 断面図を見せていただいたことがあるが、他社製品と違いが明らか
- 化学反応で出たガスを逃がす仕組みがあるので液漏れしにくい
- 他社製品の場合は内圧が上がって使用時間が延びるほど液漏れしやすくなる
高価な物(カメラやスマホなど)ほど電池には気を使って欲しい
お気に入りの製品がたった一個の電池で壊れてしまうのは悲しすぎます。
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