「ザ・ブルーハーツ」
超が付くほどの有名な日本のパンクバンド
政治の事や自分たちに向けられた社会の偏見に対して鋭いメッセージを放っていたら
その強いメッセージ性が批判していた社会のお手本のようなNHKに取り上げられてしまう
彼らの強いメッセージ性はやがて音楽という垣根を越えて
共感する若者のファッションにまで影響を与える。
バンダナ・皮パン・ブーツなどは強いメッセージ性のあるパンクファッションとなった
今でこそ音楽とファッションは密接な関係にあるが
この時代に音楽とファッションを強く結び付けた彼らの影響力は計り知れない
そんなブルーハーツの名曲のなかから6曲を取り上げ
6人の監督が映像化した「ブルーハーツが聴こえる」
それぞれの監督による音楽の解釈が面白い
- ハンマー(48億のブルース)
- 人にやさしく
- ラブレター
- 少年の詩
- ジョウネツノバラ
- 1001のバイオリン
どれをとってもブルーハーツを知っている人であれば知っているであろう
名曲ぞろいとなっている
今作品はTHE BLUE HEARTS結成30周年記念に製作された。
製作途中で資金難に陥ったが、クラウドファウンディングにより制作費を集め劇場公開に至った経緯がある。
熱いですよね!?この経緯が既に熱量を感じます
1本あたりが24分と短いものの、どれも「映画」並みの完成度
どれも、ストーリーの肝になるところで音楽がスタートするのだが
曲のタイミングが鳥肌物!いつ音楽が流れるかワクワクが止まりません。
是非観ていただきたいので、ネタバレは極力避けたいと思う
さっそく各ストーリーの紹介をしていきたいと思う
ハンマー(48億のブルース)
家具屋に努める女性が同棲していた男に浮気されて葛藤していく物語
東京03の角田さんの乗り突っ込みが秀逸。
「すっげぇ腹減ってるときにぃ!UFOの湯切りミスれ!」などの
センスのあるセリフが満載で笑える作品になっている
まさに東京03ワールド全開である
キャスト
- 尾野真千子
- 角田晃広
- 荻原みのり
- 伊藤沙莉
- 吉沢悠
- 平田小百合
- 余貴美子
監督・脚本:飯塚健
人にやさしく
もうすぐ酸素の無くなる宇宙船の中が舞台となっているSFドラマ
アクション満載で海外ドラマ好きなら気にいると思います
市原隼人さんの強烈な存在感が印象的。
アンドロイドという難しいキャラ設定であっても、その世界観に引き込まれていくのは
彼の演技力があってこそ。
あんなに綺麗な涙を流せる事に驚きを隠せない
是非最後まで見て欲しい
キャスト
- 市原隼人
- 高橋メアリージュン
- 浅利陽介
- 瀧内公美
- 加藤雅也
- 西村雅彦
脚本:下山 天 ・ 鈴木しげき
監督:下山 天
ラブレター
脚本家役の斎藤工がロックを題材にしたストーリーを書こうとしていた
ふと高校時代に聞いていた「ブルーハーツのラブレター」のレコードを見つける
当時の事を思い出し、好きだった女の子が死んでしまったことを思い出す。
自分がかく脚本のストーリーの中では運命が変えられると強く思った
すると突然便器の中に吸い込まれ高校生時代の自分たちに戻ってしまう
もう、何を書いてるのか僕もよく分かりません
斎藤工と友人役の要潤のイケてない高校生時代の演技がとにかく面白すぎる。
中二病感が満載の今作。
「ラブレター」をただの学園ラブコメにしないセンス!
詩の歌詞を尊重したストーリー。
笑いあり、感動あり。
高校生の頃の甘酸っぱい恋心と妄想ワールドが堪能できる
斎藤工が好きになります
キャスト
- 斎藤工
- 要潤
- 山本舞香
- 朝日奈寛
- 菊池宇晃
- 渡邊奏人
- 鎌田いぶき
- 正田貴美佳
- 福本晟也
- 羽下直希
- 遠藤真人
- 亜沙美
- 津田寛治
脚本・監督:井口昇
少年の詩
個人的に一番好きなストーリー
小学生の少年とシングルマザーのお話。
頭も悪くない、スポーツも出来なくないが少し大人っぽく
周りが子供みたいに見えてしまう少年
「先生は偉い先生じゃないの?学校の先生は偉くないの?」
そうはいっても子供。「ボンバー仮面」というヒーローが好き
ある日誕生日に近所のデパートでボンバー仮面ショーが行われる事になる
そのデパートは母親の勤めている職場だった。
嫌々ながらもデパートに向かう少年だったがそこで
職場の男が母親に言い寄ってくるのを目にしてしまう。
少年の葛藤を描く物語。
キャスト
- 優香
- 新井浩文
- 内川蓮生
- 迫田孝也
- 兼松若人
- 清水洋子
- 早瀬マミ
- 伊藤尚美
- 市川まどか(FMぐんま)
- 匠馬敏郎
- 加藤結
- 阿部愛佳
- 田島藍梨
- 篠田涼也
- 林粋平
- 清水悠史
- 星野甲斐
- 芝本麟太郎
- 永澤和馬
- 清水華粋
- 清水陽暁
- 石川将野人
- 八木丈依
- 我妻浩之
- ジアデ・エヌマエッラ貴美子トフィック
- 新保瑛太
- 花岡里咲
脚本: 清水祟 石川健太
監督: 清水祟
ジョウネツノバラ
寝たきりになってしまった妻が亡くなり茫然自失の夫
亡くなった妻を愛するが故に狂気とも取れる行動を起こす夫
愛する人を失う悲しみを描く物語。
このストーリーが凄いのは全編セリフが無い事
チャップリンの時代であれば無声映画も珍しくなかったが
この時代にこういった手法で撮影するのは
かなり思い切った挑戦であると思う。
セリフが無いという事は全て表情や全身を使った演技のみで勝負するという事
悲しみや怒りと言った感情を全てだ。
これがどれほどスゴイ事なのかは実際に見てもらわなければ伝える事は難しい
是非ともその目で見て欲しい
そして、感じ取って欲しい。
言葉が無いという事は、どんなふうに解釈するのも観客に委ねるという事
製作者のメッセージをその目で感じ取って頂きたい。
彼が出演していて原案にも加わっている今作は観なきゃ損するレベル。
キャスト
- 永瀬正敏
- 水原希子
- 藤崎ゆう
原案・脚本 :永瀬正敏
監督:工藤仲一
1001のバイオリン
豊悦が主演なんですよね。トヨエツが演技すると全部トヨエツじゃん
っていうのが僕の今までの認識でした。
今作はトヨエツが「カッコ悪い東北弁の頑固オヤジ」を演じてます
もうね、最初の東北弁なまりの時点で心をつかまれました。
原発の事故にあい東京に来た4人の家族の物語。
原発が地震で壊れてしまい、彼らの家は住むことのできない土地になってしまった。
東京に家族で暮らすことになったが、当時の事を忘れる事は出来なかった。
飼って居た犬の「たろう」を忘れる事の出来ない息子
父親は昔、原発で仕事をしていた。東京で見つけた仕事は長続きしなかった
故郷に戻る事も考えたが仲間にたいして大変な時に東京に逃げてしまった事を後ろめたく感じていた
そんな時にかつての同郷の仲間「たつお」が家を訪ねてくる。
原発の事故から3年
変わっていく世の中・変わろうとする娘・変われない父
昔の事を忘れられない父は、たつおと共に故郷に置いてきてしまった「たろう」を探しに行く。
頑固おやじに対する家族の苛立ち、頑固おやじの心の葛藤、家族の愛の物語。
そんな綺麗ごとだけで終わりにしてほしくないっていう気持ちが痛い位に心に訴えてくる。
後悔しても先に進めない事は解っていても、素直に受け止めきれない。
不器用だけどまっすぐな父親の姿が心に突き刺さる
ホントにトヨエツ?
こんな役も出来るんだと、僕は衝撃を受けました。
とにかくトヨエツの存在感が凄い。
こうであれという理想と認めたくない現実。
そういった人間の複雑な感情を演じる事が出来るのは、やっぱり彼が天才だからなんだろうな。
ラストシーンは1001のバイオリンに合わせたカラっとしたエンディングになっています。
是非「目を背けずに」最後まで観て下さい
キャスト
- 豊川悦司
- 小池栄子
- 三浦貴大
- 石井杏奈
- 荒木飛羽
- 猫田直
- 斎藤由衣
脚本:小島健作
監督:李 相日
「ブルーハーツが聴こえる」を観るには
U-NEXTで観ることが出来ます
無料視聴が1か月あるので1か月以内に辞めれば無料で観れますよ
映画・ドラマ・アニメ・雑誌も見放題(動画と雑誌が見放題はU-NEXTの一押しポイント)
※一部有料の物もあります
もちろん「ブルーハーツが聴こえる」は無料の対象作品です
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